訪問販売の消費者トラブルについて、この記事では解説しています。訪問販売は、消費者への勧誘が不意打ち的なため、消費者を保護する制度が準備されています。
Q 訪問販売とは、具体的にどのようなものをいうのですか?
分かりやすく訪問販売に該当するパターンを整理すると、以下のとおりです。
契約の申込み | |||
---|---|---|---|
営業所等以外 | 営業所等 | ||
契約の締結なし | 訪問販売 | 該当せず | |
契約の締結場所 | 営業所等以外 | 訪問販売 | 該当せず |
営業所等 | 訪問販売 | 該当せず |
表の中で「該当せず」とされている場合であっても、キャッチセールスやアポイントメントセールスによって、営業所等で申込みや契約をした場合には、訪問販売に当たります。
訪問販売に当たるかどうかで、クーリングオフ制度や取消権が行使できるかどうかに影響を受けますので、契約に至った状況を正確に整理する必要があります。
Q キャッチセールスやアポイントメントセールスとはどういうことですか。
たとえば、「健康や美容についてのアンケートのご協力にお願いします。回答いただくと、豪華なプレゼントを差し上げます。」などと言って、消費者を店舗に同行し、健康食品や化粧品などの契約をさせる場合などが典型例です。
アポイントメントセールスとは、事業者が消費者に対し、①販売目的を隠して店舗に呼び出し、または、②著しく有利な条件で購入できると告げて店舗に呼び出した上で、契約の申込みや締結をさせる方法です。
たとえば、①の類型では、「有名講師による無料啓発セミナー開催」などと書かれたチラシを配布し、店舗にきた消費者に対し、特定の商品の購入を勧誘する事例などがあります。
キャッチセールス、アポイントメントセールスのいずれも、契約は店舗で行われますが、店舗以外で契約する場合と同等に、不意打ち的な勧誘が行われ、消費者被害が生じる危険性が高いため、訪問販売の一類型として規制されることになりました。
キャッチセールスやアポイントメントセールスにより、高額な商品やサービスを購入してしまったとお困りの際は、お早めに弁護士にご相談ください。
事案によっては、商品代金全額を取り戻すことができるかもしれません。
Q 訪問販売で商品を購入した場合、事業者にどのような権利を主張できますか。
法定書面を渡されていなかったり、書面の記載内容に不備がある場合には、8日間の期間は進行しませんので、解除することができます。
また、商品販売の勧誘の際に、販売員から商品の価格や性能などについて、虚偽の事実を説明されたり(不実告知)、あるいは不利な事実をあえて説明されなかったりした場合(事実不告知)には、期間に関係なく契約を取り消すことができます。
また、住宅での勧誘行為がされ、退去を促しても帰らなかった場合(不退去)、キャッチセールスなどで入った店舗で、商品の購入意思がないことを告げても、会場からの退出を妨害された場合(退去妨害)にも、契約を取り消すことができる場合があります。
クーリングオフ | 書面受領から8日以内の解除 |
---|---|
不実告知 | 誤認を理由とする取消し |
事実不告知 | 誤認を理由とする取消し |
不退去 | 困惑を理由とする取消し |
退去妨害 | 困惑を理由とする取消し |
訪問販売、キャッチセールス、アポイントメントセールスで商品を購入してしまったが、なんとかしたいとお悩みの場合は、弁護士にご相談ください。
ケースによっては、代金の支払いを拒絶できたり、代金の返還を受けるなど、あなたの消費者としての権利を守ることができます。