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瑕疵ある住宅|不動産トラブル

瑕疵ある住宅に関する不動産トラブルについて、この記事では解説しています。ローンを組んで購入したものが欠陥住宅だった場合でも、正確な知識をもとに冷静に対応しましょう。

Q 欠陥住宅はどのような住宅のことですか?

欠陥住宅とは、安全性を欠いている住宅のことを言います。また、欠陥住宅を広い意味でとらえると、グレード、デザインなど、契約で決めた条件を満たしていない住宅も含まれます。

欠陥住宅の被害は大きいです。阪神大震災、東日本大震災などの地震によって、欠陥住宅であったがために命を失う人もいました。また、雨漏り、住宅の傾きなどの現象が発生することがあります。1、2年の賃貸で住宅を借りる訳ではありません。数十年間にわたって、欠陥住宅の被害に苦しむこともあります。

欠陥住宅の問題は、消費者被害の中で一番大きい問題と言えます。

Q 欠陥住宅には、どのようなケースがありますか?

欠陥住宅には、様々なものがあります。建築基準法の構造上の基準等を守っていないものが代表例になります。また、その地域の気候、周辺の地形、住宅の材質等によって、欠陥住宅の症状(欠陥現象)は異なります。

欠陥現象には、雨漏り、床の傾き、カビ、シロアリの発生等があります。いずれも、住宅に住む人からすれば、大きな被害になります。欠陥現象を修繕するための工事費用も、大きくなることがあります。

一番問題のある欠陥は、目に見えない箇所にあることが多くあります。たとえば、住宅の基礎(きそ)、躯体(くたい)に欠陥がある場合です。基礎とは、住宅を地面で支える構造のことを言います。躯体とは、建物の構造を支える骨組みのことを言います。

基礎・躯体の部分は、工事が進行すると外からは見えません。住宅を注文した人は、最終完成品の状態は念入りに見ると思います。しかし、基礎、躯体を念入りに見る人は多くありません。また、基礎・躯体を見ても、何か問題があるか分からない人の方が多いです。

基礎・躯体は、建物の生命線と言えます。ここに欠陥があると、最悪の場合、住宅の倒壊につながります。また、基礎・躯体の修繕工事の金額は、通常、高額になります。

基礎・躯体に欠陥がある場合、住宅を使用してから数十年後たってから問題が発覚することが多くあります。数十年後に、建物が傾いてきた場合です。また、震災にあって、初めて基礎・躯体に問題があることが判明することもあります。しかし、それでは、生命を守ることができず、遅すぎると言えます。

Q 欠陥住宅の予防は、どうすれば良いですか?

設計、施工だけでなく、「監理(かんり)」についてもこだわることが重要です。監理とは、工事が設計図どおりに行われているか監督することを言います。確かに、設計、施工についてはこだわる人は多いです。しかし、監理をおろそかにしている人が多いからです。

たとえば、監理には、信頼のある建築士を頼んだ方が良いでしょう。建築士への報酬が増えたとしても、それは当然の費用と考えた方が良いです。また、監理の建築士に頼みっぱなしにするのも良くありません。建築士に報告等を適宜もとめ、注文者が、主体的に関与していくことも重要です。

Q 欠陥住宅のトラブルにあったら、どうしたら良いですか?

工事を行なった建設会社に対応してもらう必要があります。建設会社には、契約上、欠陥を生じさせない法的義務があるからです。欠陥の修繕工事が必要な場合、建設会社にその工事を請求してください。建設会社の対応に納得がいかない場合、監理者の建築士に相談してください。監理者は、施工者の工事を監督する立場にあるからです。

以上の対応によっても、納得がいくことができない場合、弁護士に相談しにいく必要があります。欠陥を生じさせたことの賠償を求める場合、最終的には、民事裁判を行なう必要があるからです。なお、弁護士は法律の専門家ですが、建築の専門家ではありません。そのため、欠陥住宅のトラブルでは、通常、弁護士が建築士と協力して、対応することになります。