犯罪被害者と損害賠償命令について、この記事では解説しています。通常の損害賠償と、損害賠償命令はどう違うのか、損害賠償命令のメリットについて、正確に理解し、有効に活用しましょう。
Q 損害賠償命令制度とは何でしょうか?
民事事件と刑事事件は、手続が異なります。民事事件は、主にお金の紛争で、民事裁判所を利用することになります。刑事事件は、刑罰を科す手続で、刑事裁判所で審理されます。
そのため、刑事裁判だけしか行われないと、通常、被害者の被害回復にはつながりません。被害者が、金銭的な補償(損害賠償請求)を受け取ることができないからです。しかし、被害者が、民事裁判を起こすのは大変です。刑事裁判の証人等でも大変で、それに加えての労力になるからです。また、つらい事件のことを何度も思い出し、証言するのはとても苦痛になります。
そこで、被害者を保護する法制度の一つとして、損害賠償命令制度が設けられました。損害賠償命令制度のもとでは、刑事裁判官が、民事の損害賠償請求を審理してくれます。被害者の労力等が緩和されることになります。
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※弊所では、現在、犯罪被害者側の新規相談受付を中断しております。
Q 損害賠償命令制度の手続の流れは?
損害賠償命令制度の手続の流れは、図のようになります。
制度 | 対象事件 | 関与内容 |
---|---|---|
被害者参加制度 | ・故意による殺傷事件 ・強姦・強制わいせつ罪 ・過失運転致死傷罪 ・逮捕・監禁 |
・検察官の訴訟活動に対する意見、説明を求めること ・情状に関する証言に対しての尋問 ・意見を述べるために必要な限度での被告人質問 ・訴因の範囲内における意見陳述 |
心情等の意見陳述制度 | ・全ての事件 | ・被害者の心情を法廷で述べる |
優先傍聴 | ・全ての事件 | ・優先的に傍聴することができる |