電話勧誘販売の消費者トラブルについて、この記事では解説しています。違法・悪質な電話勧誘から、消費者の利益を守る法制度を理解しましょう。
Q 健康食品の購入を勧誘する電話が何度もしつこくかかってきます。どうにかできませんか?
電話が何度もしつこくかかってくるとのことですが、電話勧誘販売については、再勧誘の禁止という規制があります。
消費者が、電話での勧誘に対し、明確に購入を拒否する意思を告げている場合や、全く何も応答せずに電話を切る態度などを示している場合には、事業者は、それ以上勧誘を継続し、または再び勧誘の電話をかけることを禁止されています。
重要なポイントは、はっきりと勧誘を断る意思を事業者に伝えることです。勧誘を断れば、事業者が勧誘を継続することは、違法となり、業務停止命令などの行政処分の対象となります。
勧誘を拒絶している例 | ●いりません。 ●興味ありません。 ●一切電話しないでください。 ●何も応答せずに切る。 |
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勧誘を拒絶していない例 | ●今は忙しいので、また今度にしてください。 ●家族と相談します。 ●検討します。 |
Q 電話勧誘でサービスに加入しましたが、電話だけなので、契約内容がよく分かりません。
民法では、口約束での契約も有効ですが、電話勧誘販売は、消費者トラブルが起こりやすいため、書面で契約内容を明確化するようにしています。
ご質問内容からは、サービスに加入したものの、そのサービスの内容などが記載された書面が交付されていないのではないかと思われます。
事業者に対し、法定の書面の交付を求めるようにしてください。それでも交付されない場合には、当該事業者は、行政処分及び刑事罰(100万円以下の罰金)の対象になります。
Q 電話での勧誘を受け、商品を購入してしまいましたが、キャンセルできないでしょうか?
具体的には、契約内容が記載された書面を受けとった日から8日以内に契約の解除の意思表示をする必要があります。特に、高額な商品やサービスを購入してしまった場合には、クーリングオフの適用期間内に解除することが極めて重要になります。
クーリングオフ制度の適用を検討される際は、契約の概要が記載された法定書面を受領しているか否かをご確認ください。万一、書面を受領していないまたは書面に不備がある場合は、契約から8日間を経過していても、クーリングオフによる解除が可能です。
クーリングオフ制度による解除は、必ず書面で行う必要がありますので、電話で解除の意思を伝えるだけでは不十分です。
書面であれば、はがきでもFAXでも有効ですが、書面を受領した、受領していないなどの争いにならないように、できる限り内容証明郵便で解除通知を送りましょう。
なお、解除通知は、法定書面を受領したときから8日以内に発信すれば足り、8日間経過後に事業者に到達しても有効です。
対応方法について心配な場合は、お気軽に弁護士にご相談ください。期限内に適切な手続をすれば、契約代金全額の返金を受けることができます。
なお、司法書士や行政書士が、解除通知の手続を代行するサービスが広告されています。しかし、行政書士は、個別事案に応じた柔軟なアドバイスを行う権限がなく、司法書士も金額によって手続を代行できる場合が制限されています。必ず、弁護士にご相談ください。
解除のポイント | ●法定書面受領から8日以内に解除通知を発信する。 ●解除通知は、できれば内容証明を利用する。 ●弁護士に相談する。 |
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