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計算の方法|慰謝料

慰謝料と、その計算の方法について、この記事では解説しています。慰謝料の相場はどうやって決まるのか、慰謝料と損害賠償はどういう関係かについて、理解しましょう。

Q 慰謝料ってなんですか?

慰謝料は、一般的には精神的損害に対する賠償であるとされています。例えば、殴られて、痛い思いをした。「痛い」という辛い精神状態に対して、どうにかして償いをしてほしいわけです。

刑事事件は、犯罪に対する処罰になりますから、仮に殴ったことで処罰されても、直接被害者に被害の回復がなされるわけではありません。被害の回復、といっても、民法上は金銭賠償が基本になりますから、「痛い」という精神状態に対しても、金銭換算して賠償することになるのです。

ただ、最近では、明確に精神的損害かどうかわからないものも慰謝料に含まれる傾向があります。

したがって、慰謝料の概念としては、単に精神的損害以外にも、本来金銭的に見積もることが困難な、無形損害も含んだ損害賠償の概念であると考えるべきだと思われます。

慰謝料 精神的損害を中心とする、本来金銭に見積もることが困難な無形損害に対する金銭賠償

Q  慰謝料はどうやって計算するのですか?

これは、非常に難しい問題です。先ほどのQAでも記載しましたが、精神的損害や金銭に見積もることが困難な無形損害ですから、そもそも、金銭換算することが難しいのです。しかし、現在の法律上、金銭賠償が基本になることから、不法行為が成立するならば無理にでも金銭換算するしかありません。

一般的にはある程度相場のようなものも存在します。この相場がどのように形成されているのかというと、裁判例の集積によるものと言われています。

不法行為の行為態様は、千差万別です。しかし、ある程度、不法行為の種類もグループ分けすることができます。

例えば、暴力行為、不貞行為など、典型的な不法行為は裁判例の蓄積も多いので、どのような要素が慰謝料を増減させるのか、予想することができるのです。

弁護士は、そういった慰謝料の相場や、金額を決する考慮要素などについても相談対応をしています。慰謝料の算定について疑問がある場合には、弁護士にご相談ください。

Q 慰謝料、損害賠償、示談金、それぞれ、どういう意味なんですか。

慰謝料については、はじめのQAでもご回答しましたとおり、精神的損害や、無形損害に対する金銭的な償いということになります。その一方で、損害賠償、示談金といった言葉もよく使われます。ただ、厳密に区別して使用している人は少ないかもしれません。

まず、損害賠償の意味についてですが、文字通り、なにかトラブルがあった場合の損害に対するお金、ということになります。すこし難しい言い方をすると、不法行為や債務不履行があった場合に発生する損害を金銭換算したもの、ということになります。

損害の内容は様々です。明確に金銭的に算定できるものもあれば、先ほども述べたように金銭算定が難しいものもあります。

したがって、損害賠償とは、不法行為や債務不履行など、違法な行為があった場合に支払うお金、ということになり、慰謝料もその中に含まれる、広い概念の言葉になります。

一方、示談金というのは、示談の際に支払われるお金を意味します。示談とは、何かトラブルなどがあった場合、訴訟による解決を行わず、当事者間の話し合いで損害賠償の額や支払い方法を決めることです。

示談金は、示談をする際に支払われるお金になりますから、先ほど述べた損害賠償に近いものと考えてよいでしょう。示談金の中に慰謝料が含まれていることもあります。

もっとも、示談金は当事者の合意で決まるものですので、裁判上では認められない請求も、当事者が納得しているのであれば支払いがなされることもあります。

慰謝料請求や示談は、当事者間で話を進めるとトラブルになりやすい分野でもあります。慰謝料などの相場や、金額の考慮要素、その他、言葉の意味などでご不明な点がありましたら、ぜひ弁護士に相談してください。

意味
損害賠償 不法行為や、債務不履行があった場合に、その損害を金銭的に填補、補償すること。
慰謝料 精神的損害その他、本来金銭換算が困難な無形損害に対する損害賠償。
示談金 訴訟外で話し合いを行う示談において支払われる金銭