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紛争のあっせん|労働トラブル

パワハラ、解雇、職場のいじめなど、労働トラブルは後を絶ちません。労働トラブルを解決する一つの手段として、労働紛争のあっせんというものがあります。

Q 労働紛争のあっせん、とはなんですか?

労働紛争のあっせんとは、都道府県労働委員会において、使用者、労働者間で生じた紛争を、あっせん委員を介して解決しようとするものです。

あっせん委員は、労働者側、使用者側、学識者等で構成されます。上記のあっせん委員は労働問題についての知識、経験を有する人になります。

話し合いの結果、双方が納得し、あっせん案に同意すれば、民法上の和解契約と同一の効力を有することになります。

Q 労働紛争のあっせんはどんなメリットがあるのですか?

労働紛争のあっせん以外の紛争解決方法としては、訴訟があげられるでしょう。訴訟と比較して、労働紛争あっせんはどのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、労働紛争あっせんは、手続きが簡易単純で、スピーディな解決を望むことができます。

また、費用は原則として無料です。

加えて、あっせんは非公開で外部に公開されないので、プライバシーや信用が害されることはありません。

使用者は、労働者が労働紛争のあっせんを利用したことをもって不利益に取り扱うことはできません。

Q 労働紛争のあっせんの方が訴訟より圧倒的に得ではないですか?

たしかに、労働紛争のあっせんは、労働者にとって非常にメリットの大きい手続です。しかし、デメリットが全くないわけではありません。

労働紛争のあっせんは、あくまで話し合いによる解決を目指すものです。そのため、当事者がどうしてもあっせん案に納得せず、同意するに至らなかった場合には、あっせん打ち切りとなってしまいます。

また、簡易な手続であることから、きちんと主張が整理されないままあっせんに臨んでしまい、合意に至らないこともあります。

一度あっせん打ち切りとなってしまえば、同一の紛争について再度労働紛争のあっせんを利用することはできません。

労働紛争のあっせんは、上手く使えば非常にメリットの大きい手続です。ご利用を検討されているのであれば、是非弁護士に一度ご相談ください。きちんとした準備をして臨めば、大変メリットの大きい手続です。

労働紛争のあっせん
メリット デメリット
・手続が簡易
・結論が早く出る
・利用は原則無料
・非公開
・話し合いが主体のため、柔軟な解決が可能
・話し合いで合意に至らない場合には打ち切り
・あっせんに応じるかどうかは自由(会社側が応じないこともある)
・すぐに終わってしまうため、主張もれの可能性がある
訴訟
メリット デメリット
・必ず結論がでる
・判決には拘束力、執行力がある
・慎重な手続きで進む
・時間がかかる
・裁判は公開されている
・労力、費用が多くかかる可能性がある