慰謝料を払えない場合は、どうすればよいか、弁護士に相談したい方へ。慰謝料が払えない場合に、強制執行されるまでの流れを理解することで、適切な対応が可能になります。
Q もし、ずーっと慰謝料の支払をしない場合には、結局どうなるのでしょうか?
「強制執行」は、「債務名義」がある場合に可能であるとされます。この「債務名義」は、色々な種類があるのですが、一番代表的なものが勝訴判決の「確定判決」になります。
裁判で勝って、「○○円支払え」との判決がある場合には、適法な手続きで債権債務の存否が判断されたわけですから、強制執行してもよい、ということになるのです。
つまり、ごく簡単にいうと、ずーっと支払いをせずに無視し続けると、いつの日か訴訟を提起され、敗訴した場合には、強制執行されてしまう可能性があるのです。
Q 債務名義にはどのようなものがあるのですか?
以下に、どのようなものが債務名義になりうるか、一部例を示します。
具体例 | 債務名義該当性 |
---|---|
確定判決 | 債務名義になる |
仮執行宣言付判決 | 債務名義になる |
調停調書 | 債務名義になる |
家事審判調書 | 債務名義になる |
一定の要件を満たした公正証書 | 債務名義になる |
契約書 | 債務名義にならない |
念書・誓約書 | 債務名義にならない |
債務を認めるメールや手紙 | 債務名義にならない |
Q 強制執行って、具体的にどんなことをされるの?給料を差押えられたら生活できない。
そのため、すこしずつ回収することになるので、全額回収するのに時間がかかるケースが多いですが、勤務先さえわかっていれば差押えが可能という便利さがあります。
具体的には、基本給や諸手当(通勤手当を除く。)から所得税等を控除した残額の4分の1が原則になります。ただし、控除した残額が月額44万円を超えるときは、そこから33万円を控除した額が差押え対象の給与になります。