妊娠中絶の男女トラブルについて、この記事では解説しています。妊娠中絶について、直接規律する法律はありません。トラブルになった場合、どのようなルールで解決されるのでしょうか。
Q 彼氏と話し合い、中絶しました。とても辛いです。彼氏に慰謝料請求できますか?
中絶するかどうかは、通常男女間で話し合いがなされ、その結果中絶に至るケースが圧倒的に多いでしょう。そして、妊娠自体は、男女どちらかの責任、というわけではなく、原則として男女双方の責任であると解されています。その上で、上記の原則論にしたがうと、中絶自体の慰謝料請求はできないことになります。
妊娠も中絶も男女双方の責任と考えられている以上、中絶にかかる費用などは、男女がそれぞれ負担すると考えられています。
Q 原則、というけれど、どのような場合に中絶の慰謝料を請求できますか?
妊娠中絶に関して、その費用は男女で折半が原則、というのは、男女トラブルがなく話し合いがきちんとできたことが前提となります。
例えば、例外的に慰謝料請求ができる場合としては、脅迫や暴行を行って、無理に中絶をさせた場合が考えられます。その場合には、無理やり中絶させたこと自体が不法行為に基づく損害賠償請求の対象になる可能性があります。
また、脅迫や暴行が刑法上の犯罪に該当する可能性もあります。
中絶に関しては、男女の意見がかみ合わず、男女トラブルに発展する場合があります。また、中絶可能な期間が限られていることもあって、切迫した状況から中絶を強要する例もないわけではありません。少しでも疑問に思うことがあれば、一度弁護士に相談してみるべきでしょう。